活動記録

| nakagawa

時の流れに身をまかせ

ここのところ、運転中のお供はテレサだ。
ちょっと前までは、爽快で柔らかく、それでいて深みのあるスピッツだったのだが、このところ、ちょっといろいろ疲れるというか、すっきりしない気分でもあったせいか、ここ数日はテレサの切ない声に癒されながらハンドルを握っている。

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でも、テレサが歌い上げる世界を聴いていると、ふと思う。
彼女が時代の中心にいた頃。
そして、ボクが若かった頃。
あの頃と今とでは、いろいろなことが、すっかり変わってしまったなぁ、と。

「あなたが好きだから、それでいいのよ…、わたしは待つ身の女でいいの」
「尽くして、泣きぬれて、そして愛されて」
「もう少し奇麗なら、心配もしないけど…、わたしの人生にあなたしかいらない」
「愛をつぐなえば、重荷になるから、この街を離れ、暮らしてみるわ」
「女が男よりも強い時があるなら、明日さえも捨てるような本当の恋に賭けたとき」

切ない。
切なすぎる……。

女は待ち、尽くし、耐え、時には身を引く。
男は勝手気ままで、そんな女を翻弄する。
そんな男女の姿が、ごく自然なものとして歌の世界にあった時代。
今なら、こんな歌詞を書いたら、たちまち「それってどうなの?」と突っ込まれそうだし、歌う側だって「いやいや、私はそんな女じゃありませんけど」となりそうだ。

別に、昔の価値観に戻りたいわけではない。
それでも不思議なもので、
現代の感覚なら「ちょっと待て」と思うような世界なのに、今のボクの心には、なぜか沁みてしまう。
それも、テレサの少し舌足らずで、どこか儚げな歌声で聴かされると、なおさらだ。
そして気がつけば、歌を聴きながら、自分が歩いてきた時間のことまで振り返っていたりする。

時代が変わったのか。
価値観が変わったのか。
それとも、ボクが歳をとっただけなのか。

たぶん、どれも少しずつなのだろうな…。
そんなことを考えながら、今日も「時の流れに身をまかせ」てハンドルを握っている。