活動記録
| 中川 賢一
札幌市議会にて代表質問に立ちました
札幌市議会令和4年第2回定例会が5月24日から6月6日の会期で開催され、私は自民党会派を代表して5月30日に代表質問に立ちました。
今年度は秋元市政2期目最後の一年となりますので、現下喫緊の課題に加え、締めくくりに向けて特に重要と思われる点をかなり交えて60分の質問を行いました。
自身も今季最後の長時間の質問ですので、準備や事前協議をこれまで以上に相当丹念に行ったつもりであり、その結果、いつもは慎重過ぎるくらいの答弁に終始する秋元市長から、かなり踏み込んだ姿勢を引き出せました。
今回はその質疑の中で特に重要と思われることを少しご紹介したいと思います。
【雪対策】
作冬の記録的大雪に際し、私は市内中心部の雪堆積場の処理量が激減したことが除排雪効率の悪化を招いたとの考えから、豊平川河川敷の利用拡大を国と積極的に協議すべきと主張し、自らも国に要望活動を行いました。
今回、来年に向けての雪堆積場確保の考え方を改めて問い、国との協議体制の強化することを確認しました。
また、下水熱を利用した融雪施設を拡充するよう求め、市長も積極姿勢を示しました。
さらに、今後さらなる増加が見込まれる雪対策事業費の財源確保のために、新たな手法を検討すべきと提案しました(私は以前から、観光目的税を検討するなら、冬の観光環境の整備などの名目で雪対策経費を捻出することなども提案)。
市長は「受益者負担」、つまり雪対策の目的税なども念頭に置いた財源検討をするという、踏み込んだ考えを示しました。市長の危機感を感じる一幕でした。
【大通公園の市道廃止は慎重に】
3月に大通公園の街区連続化とそれに伴う市道廃止の報道がなされた件に関し、あまりにも唐突であること、交通や経済など市民生活に著しい不都合をもたらしかねないことなどを強く指摘し、連続化ありきではない慎重な検討をすることを確認しました。
【スケートボードパークの設置】
オリンピックでの道産子選手の銀メダル獲得など、日本人選手の活躍や経済効果の大きさなどから最近注目度が急上昇のスケートボードをまちづくりの新たな起爆剤としようと提言。
スケートボードパークを豊平川河川敷など市内中心部に設置して、周辺を若者の文化や消費活動で活性化することを提案し、市としても前向きに場所選定などを行うこととなりました。
【大通東一丁目の再開発】
四季劇場がある大通東1丁目の再開発は、複数の地権者が絡み膠着状態にありました。
地権者の一者である竹中工務店が北5西5の札幌市所有地を定借し、紀伊国屋書店のビルを所有していることから、その期限の到来に合わせて市と竹中工務店とで土地交換することで、市が大通費が1丁目街区の地権者となり、再開発を主導するとの考えが示されました。
竹中工務店も現在北5西5に所有する紀伊国屋などの入っている建物を取り壊す必要がなくなり、両社にとってメリットのある交換となります。
【オリンピック招致などで目指す具体的な社会目標や都市計画】
市は2030年冬季オリンピック招致を目指していますが、今一つ市民の中に盛り上がりが見られず、賛否も拮抗しています。
私は経費の問題などの以前に、オリンピックで目指す将来の札幌の姿やそれがもたらす発展の形を市や市長が明確に示してこなかったことに最大の要因があるとかねてから指摘してきており、今年度策定予定の次期長期総合計画「札幌市まちづくり戦略ビジョン」の中にきちんと示していくことが不可欠だと主張しました。
これに対し、既に概ね完成しつつある「ビジョン」だが、指摘されたような点を具体的に盛り込んでいくとの考えが市長から示されました。
ほとんど完成に近い計画を再度書き換えるなど行政では滅多にないことですが、大きな修正を容認したことで、オリンピック招致に対する市民理解が深まることを期待します。
以上、主なものだけご紹介しましたが、この他にも丘珠空港の滑走路延伸に伴う周辺地域の開発、コロナで傷んだ観光などの地域経済への手立て、物価やエネルギーの高騰による市内経済や市民生活に対する影響など、喫緊の課題、将来に向けた課題と幅広い議論ができたと手応えを感じられる代表質問でした。
引き続き、まちの前向きな投資が進むよう、しっかりと注視していきたいと思います。