活動記録
| 中川賢一
オーウェルが描いたディストピアとSNS
SNSの力を見せつけられた参院選を見ていて改めて読んでおかなくてはと思い、出張の移動を活用して読了。
今から80年近くも前、テレビ放送が始まってまだ10年余りの1949年に、情報と大衆の構図と未来をこれほどまでに的確に予見したオーウェルの洞察力には脱帽だ。
「テレスクリーン」なる大衆洗脳設備などは、SNSで自分にとって都合のよい情報に踊らされ偏向と対立を強めていく現代の社会を彷彿とさせる。
「党が押し付ける世界観は、それを理解できない人々に最も奏功しているのだ。そうした人々は自分たちがどれほどの非道を働かれているのかを理解することもできず、実際には何が起きているのかに気づけるほど社会のできごとに目を向けることもない。彼らは理解力が乏しいおかげで正気を保っているのである。」
オーウェルが描いた恐ろしいディストピアに世界が近づいていかないことを願うばかりだ。